第552章

首を絞められ、息ができない感覚はあまりにも恐ろしかった。

林田月香は少し後悔していた。この子を身ごもるべきではなかったと。

母親は娘の震えを感じ取り、胸を痛めていた。

「よしよし、もう怖くないわ。お母さんがここにいるから。二度とあんなことはさせないって約束するわ」

「でも、本当に怖いよ。水原拓真は、一ヶ月以内に自分で子供を始末しろって言ったの。そうしないと、彼が直接手を下すって」

恐ろしいのは、水原拓真が去り際に向けたあの目だ。

底知れぬ瞳は、万丈の寒淵のように冷たく突き刺さるようだった。

その奥底には、果てしない冷酷さが宿っていた。

まるで人を吸い込んでしまうかのように。

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