第557章

続いて、オークションではコレクションに値する品々が次々と競りにかけられた。

林田安織は最終的に名のある書画を一点落札した。

一方、吉野文詠もジュエリーセットを競り落としていた。

オークションはほどなくして閉幕した。

黒川綾と水原拓真の二人が会場の熱気から抜け出すと、そこへ林田安織が足早に駆け寄ってきた。

彼女は申し訳なさそうな顔を浮かべた。

「申し訳ございません。弟は今回がこのような場への初めての参加でして、どうにも勝手が分かっておらず……。もし何かご無礼がございましたら、どうかご容赦くださいませ」

「構わない」

水原拓真は淡々と返し、彼女の肩越しに林田承一へと冷ややかな視線...

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