第564章

室内は突然、異様な静寂に包まれた。

林田安織はうつむき、ひどく理不尽な目に遭ったような様子を見せていたが、顔を上げた時には眩しい笑顔を浮かべていた。

「大したことじゃありません。もうあの会社には行かなくてよくなりましたから。今は自分の独立したスタジオを持っているので、機会があればぜひ協力させてください」

彼は極めて誠実な態度で新しい名刺を差し出した。

水原拓真はそれを一瞥し、ひどく驚いた様子を見せた。

「長年、ずっと一つの目標を抱いていたんじゃないのか? あの会社を取り戻すという。今は気が変わったのか?」

「もちろん変わっていませんよ。今でも会社を取り戻したいと思っています。です...

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