第573章

一方、林田承一の顔には嫉妬の色が露骨に浮かんでいた。

家の財産はすべて自分のものになると思い込んでいただけに、これほど多くを分与されるとは夢にも思わなかったのだ。

その苦々しい顔つきを見て、林田月香の機嫌は途端に上向いた。

「ありがとう、お父様。やっぱりお父様が一番私に優しいのね。安心して、機会があれば絶対に会社の力になってみせるわ。それから、愛しの弟とお姉様も、しっかりプレゼントの準備をしておいてね。もうすぐ赤ちゃんが産まれるんだから」

林田承一はさらに険しい顔つきになった。「なんだ、これだけの財産を手に入れてもまだ満足できないってのか?」

林田安織は呆れたように目を細めた。「妊...

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