第583章

それに、水原拓真と黒川綾のことは誰の目にも明らかだった。あの二人は情が深い。簡単に別れるような関係じゃない。

彼からすれば、林田月香が何をしようと、黒川綾の立場が揺らぐはずもない。

こんなふうに騒げば騒ぐほど、事態は悪化するだけだ。

だが、母娘は巨額の財産を手に入れた気分に酔いしれ、何を言っても耳に入らなかった。

「話せ。おまえら、何をやった? 医者と看護師を買収して、輝星をうまく別の場所へ誘導した以外に、何をした」

「いま、あたしに説教してるの? 生意気ね。あたしは姉よ。そもそも、やるなら徹底的に隠すに決まってるでしょ。監視カメラのない場所をわざわざ選んで、小動物であの子を釣った...

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