第53章

相沢俊は葉山風子を新しい服を買いに連れていくことになった。これは全て桂原明の指示だった。

桂原明は葉山風子の手にある指輪に合う服がないことに気づき、相沢俊に葉山風子のために新しい服を二着買うよう頼んだのだ。

葉山風子は嬉しそうに車に乗り込み、運転手の小林強に手話で挨拶した後、相沢俊に尋ねた。

「今回はどんなパーティーに参加するの?」

相沢俊は笑いながら答えた。

「前の二つの任務を合わせたようなものかな」

葉山風子は眉を少し上げた。

「今回のパーティーの主催者も社長のクライアントで、そのクライアントが社長に気があるの?だから私が対応しないといけないの?」

「正確に言えば、クライ...

ログインして続きを読む