第55章

リチャードが去った後、相澤俊は無言で葉山風子の前に立ちはだかった。

「まさかあの男の言うことを本気で信じてないよね?何百万円も簡単に出せる奴が、一着の服のデザイナーに連絡できないわけないだろ?君みたいな純粋な女性だけがそんな話を信じるんだよ」相澤俊は葉山風子を見つめながら溜息をついた。

葉山風子は何でもないように肩をすくめた。

「一番大事なのは私が400万円も稼いだってことよ!これって喜ぶべきことじゃない?」

相澤俊はようやく葉山風子の考えていることを理解した。

「で、これからどうするの?あのドレスこそ君の指輪に一番合う衣装だったのに」相澤俊は苦笑いしながら葉山風子を見た。

「あ...

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