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モーガン視点

その言葉について少し考えた。真実が胸の奥にすとんと落ちていく。「私たちは王冠を被り、壮大な宮殿に住んでいるけれど、それが真実から目を逸らせてしまうのね」

「真実、ですか?」

「私たちは結局のところ、必ずしも公平とは言えない体制に翻弄される、ただの人間だということよ」

ジュン様は頷き、その表情が和らいだ。「ハヤト様は……いろいろあっても、私に優しくしてくださいました。無理強いしたり、虐げたりすることは決してありませんでした。兄が許してくれなかったあらゆる教養を身につけるよう、励ましてもくださいました……。彼に対して、償いたいのです」彼女はぐっと奥歯を噛みしめた。「自由になり...

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