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ツネオ

彼女は片方の眉を上げた。「あれだけのことを乗り越えてきたのに、まだ刺激が欲しいって言うの?」

その瞳には悪戯っぽい光が宿っていた。俺は思わず身を乗り出した。

「厄介な刺激が欲しいとは言ってないさ。ただ、楽しいやつがいいんだ。二人でどこかへ抜け出して、誰も知らないような場所を探検するような……静かで、王国の命運を左右しないような、ちょっとした宝物が見つかるような場所へ」

「……貝殻拾いに行きたいってこと?」

「は?」

「父さんがよく言ってたの」彼女は言った。「アデルは海辺の出身だったらしくて、父さんは時々彼女を貝殻拾いに連れて行ったそうよ。害のない、宝探しみたいなものだって」...

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