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ツネオ視点

モーガンは困惑した表情を浮かべた。「どうして?」

「君の弟に会うためさ……それと、真珠宮(パール・パレス)の様子を見るためだ」俺はニヤリと笑った。「父上に、俺たちが留守の間にやるべきことのリストを渡しておこうと思ってね」

彼女はクスクスと笑った。「了解。じゃあ、行きましょう」

俺は彼女の指に自分の指を絡ませ、彼女の故郷の近くに隠された門へと向かった。揺らめく門をくぐり抜けると、土と雨の匂いが五感を満たした。空気の変化を感じ、俺は肩を回した。

『この場所は死にかけている』タロフが俺の脳裏で囁いた。その声は奇妙に悲しげでありながら、少し苛立っているようにも聞こえた。

俺も同...

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