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ツネオ

安らぎを得られぬ人間の魂。それは天界で命を落とし、人間界へと渡ることが叶わなかった者たちの成れの果てだ。彼らは悪霊と化し、雲の嵐に巻き込まれると、この領域全体に甚大な被害をもたらす傾向がある。

界域を隔てる帳(とばり)が閉ざされてから、まだ五年しか経っていない。それなのに、どうしてこれほど事態が悪化したというのか? 帳が下りたあの時、一体どれほどの人間がこの天界に取り残されていたのだろう。

嵐はゆっくりと過ぎ去り、私の予定していたルートにはない丘陵地帯へと我々を運んでいった。

私は舌打ちをして扉を開け、遠ざかっていく嵐を見送った。そして、我々が降り立った場所を忌々しく思いながら...

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