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ツネオ

影が彼らの顔と動きを覆い隠していたが、周囲の微かな光を捉えた武器の煌めきが、音もなく、そして素早く迫りくる彼らの存在を告げていた。

「走れ!」

タロフが咆哮すると同時に、俺の身体を突き動かした。新たな力が全身にみなぎり、俺は戦いの渦中へと飛び込む。虚空から純粋な闇でできた刃を呼び出した。

今まで、そんな芸当は一度もできたことがない。

『訓練だと思え。制圧するのだ。尋問のために生かしておく必要がある』

俺は振り返りざまに一人を打ち据えると、モーガンが剣を抜き放ち、猛進してくるのが見えた。その瞳から超自然的な輝きは消え失せていたが、動き自体は依然として常軌を逸した速さだった。彼...

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