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モーガン

それより重要なのは、なぜあれほど不安を感じたのかということだ。それはほんのわずかな影の筋に過ぎず、彼の腕に縮こまって巻きついたかと思うと、すぐに消えてしまった。彼は戦士たちの方へと大股で歩き出し、整然とした列を作らせた。背筋は伸びていたが、その足取りは重かった。

『あれは何?』

『言ったでしょう……彼女は私のことが気に入らないのよ』

私は広場の向こうにいるアンゾに目をやった。彼女は自分の取り巻きたちに何か話しかけている。

正体が何であれ、あれには悪意があった。タロフやツネオが、あんなものを見過ごすとは考えにくい。

改めて考えてみると、彼らは見逃すだろうか?

いや、絶対にそんな...

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