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モーガン

それがパイラの感情であり、刻一刻と膨れ上がっていることに私は気づいた。剣の柄を強く握りしめる。すると、まるで怯えているかのように、剣が指先で微かに震え、唸り声を上げ始めた。こんな反応は初めてだった。

『武器の使い方を教えてほしいのか?』

低く、温かみのある男の声が聞こえた。それは私のものではない記憶の奥底から響く、慈愛に満ちた声だった。

『いつか私が守ってやれなくなるのが怖いのか?』

「血を見るまでやるか、それとも武装解除か?」私は尋ねた。

彼女は不敵な笑みを浮かべた。「武装解除だ。血を見るだけじゃ簡単すぎてつまらない」

周囲にざわめきが広がった。ユウマが近くの訓練を中...

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