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モーガン

やがて聞こえるのは、自分の荒い呼吸音と、激しく打つ心臓の鼓動だけになった。私は突き通せないほどの闇、周囲を取り巻く絶対的な深淵を見つめた。

いや。

私は目を閉じ、感覚を研ぎ澄ませ、闇の中へと意識を伸ばした。パイラが震え、抵抗しようとする気配がしたが、私はそれを押しのけた。彼女が怯えているからといって、引き下がるつもりはない。

できるわけがない。

絶対にするものか。

やるべきことは一つ。彼を見つけること。彼を感じること。これまで使ったことのない本能を呼び覚ますことだ。

徐々に、何かが感じ取れた。彼は……。

近い。

近すぎる。

胃がせり上がるような感覚に襲われた。体が反射的にのけぞり、...

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