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レン

私はまた別の回廊を歩いた。そこは、かつての宮殿でツネオの部屋へと続いていたあの回廊を思い出させる場所だった。私は壁に手を這わせ、柱を伝って黄金の光が昇っていく中、そこに描かれた亀の絵を焼き払っていった。天井が軋み、うめき声を上げながら形を変えていく。私の意識にある記憶よりも鮮明に、かつ緩やかに変化している。おそらく、ピラの宮殿に対する記憶が作用しているに違いない。

私は指先を壁に走らせ、黄金の光をさらに注ぎ込んで質感と絵柄を塗り替えていく。壁画は、虎の爪を持つ龍と青い亀の邂逅から、蛇を真っ二つに切り裂く不死鳥の姿へ、そして乳白色の光の刃とともに亀の甲羅を打ち砕く炎の爆風へと変化した。...

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