第120章 三人のボディーガード

「Y国へ何をしに行くんだ?」

 車に乗るなり、野狼が尋ねてきた。

「宝石を買いに。あと、売りに」

 渡辺千咲は淡々と答えた。

 さすがに銃や弾薬を買いに行くとは言えない。

 もちろん、買えない可能性だってある。その時はその時で、別の手がある。

 とにかく、今回の渡航には目的があるのだ。何しろ、宝石をたくさん持っているから、国内で売るのは目立ちすぎる。

 野狼はそれ以上何も言わず、ただバックミラー越しに渡辺千咲へと視線を送った。

 その眼差しは深く、冷たいものを感じさせる。

 車で駅まで行き、チケットを購入した。

 これらの費用はすべて渡辺千咲が支払う。彼女はすでに国際銀行...

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