第150章 終末世界(ますますお母さんのようになってきた)

「はい、くれぐれも気をつけて!」渡辺千咲はそう言って念を押した。

渡辺千咲と小川凝の操縦技術は、実のところあまりにもお粗末だった。特に空中での浮遊感や、強烈な無重力感がひどい。

小川凝は怖くてまったく目を開けられず、全行程を小川凡に引率してもらっていた。これでは彼の操作に大きく影響してしまう。

渡辺千咲も大差なかった。ジェットコースターには乗ったことがあるものの、これは自分で操縦しなければならない。無重力感を克服しつつ、地上から聞こえるゾンビの咆哮にも立ち向かわなければならないのだ。

あまりにも人の精神的な耐久力が試される。

そこで、彼女たちはこのビルの屋上に降りて待つことにした。...

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