第162章 食事に誘ってもいいですか

中島暁たちは今、とある廃墟と化した工場区画にいた。

「何があったの?」

渡辺千咲は、彼らが皆どことなく薄汚れた格好をしているのを見て尋ねた。

「変異植物だ。この工場区画に、変異した巨大な樹が一本あってな」と中島暁が言った。

「千堂坤の火炎系能力のおかげで助かった。あの樹は火を恐れるから、それでなんとか始末できたんだ」

もっとも、あの変異樹はしばらくすればまた生えてくるだろう。工場区画にいたゾンビたちは皆、変異樹に吊るされ、活動可能な干物と化していた。

「島里町に行くんじゃなかったの? どうしてこんな工場に?」と渡辺千咲は訊ねた。

まっすぐ道路沿いに行けばよかったのでは?

「中...

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