第182章 ようやく帰国した

石田寒はまだ病院で治療を受けており、完治するにはしばらく時間がかかりそうだ。今回は彼らと一緒に帰国するのは難しいだろう。

渡辺千咲は自分の住所を大使館の職員に渡した。

「病院にいる石田寒に渡していただけますか。よろしくお願いします」

「承知いたしました」と、大使館の職員は礼儀正しく言った。

彼らは皆、H国へ帰国する飛行機に乗り込んだ。順調にいけば、午後のうちには到着するはずだ。

「やっと帰れるんだな。タイにはもう二度と来ないよ」岩崎彬は笑いながら言ったが、皆の思いは概ね同じだった。

「来ないね。最近はY国で戦争が起きてるし、タイではテロリストの襲撃があったし。まさかタイも内乱にな...

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