第198章 婿養子

「村長! こっちは夜中の一時から待ってるんだぞ! このお宮さんがおたくの村の敷地にあるのはわかるが、周りの村の人間だって参拝に来ていいはずだ。なんで今年はおたくの村の連中が先なんだ!」

「そうだそうだ! 徹夜で並んでたってのに」

 渡辺信一がその男を見ると、この村の者ではなく、小小小林村の人間だった。その後ろで口を挟んだのは、この村の老人だ。

 この土地神を祀るお宮は建立から数百年が経っている。かつて村が大水害や地震に見舞われ、周りの大木が軒並み倒れた時も、このお宮だけはびくともしなかった。

 皆、この元旦の初詣を大切にしている。

「いいじゃないか! どうせ後からみんなお参りできる...

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