第202章 抱きしめて!

「地面にゴミ袋があるわ」渡辺千咲が言った。

バイクが止まると、公道にゴミが落ちているのが見えた。

「軍用の缶詰だ。クマ国のものだな」中島暁が言った。

クマ国の文字は、彼女たちのE国とどこか似ているように見えたが、渡辺千咲はその国の言葉が分からなかった。

この国の言語は学ぶのが難しすぎたので、彼女は話せなかった。

「まさか、彼らの国の人たちが私たちのところまで物資を探しに来ているのかしら?」

「その可能性が高い。急いで軍事基地へ向かうぞ」中島暁は整った眉をわずかにひそめた。

「俺につかまれ」中島暁の心地よい声が響いた。

その短い三文字に、渡辺千咲の心にさざ波が立った。

「かな...

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