第228章 四人の修羅場

 今の彼女は空間に入れないが、空間に変化が起きたときにははっきりと感知できる。

 中島暁と繋がって以来、空間は常に変化、あるいは進化を続けていることに彼女は気づいていた。これからどうなっていくのか、渡辺千咲にも分からなかった。

 未来の行方は見えない。だが、進化こそが真相を知る唯一の道であることだけは分かっていた。

「千咲姉、誰かいる!」

 裕斗が声を潜め、目に警戒の色を浮かべて前方の木を指差した。そこには、ぼんやりと背の高い黒い影が見える。

 渡辺千咲はその見慣れた黒いシルエットを目にして、一瞬呆然とした。そして、明るい瞳が三日月の弧を描き、柔らかく澄んだ声には、明らかな喜色が乗...

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