第229章 二人の危機感

 中島暁は裕斗を背負い、助手席の方へと向かった。

 不意に、すらりとした手が中島暁の行く手を阻んだ。

 夜闇瞬、その人だった。

 二人の身長はほぼ同じで、どちらが相手を圧倒しているとは一概には言えない。

 ただ、今の夜闇瞬はどこかやつれた様子に見えた。

 二人とも特殊部隊の出身であり、長年血生臭い修羅場をくぐり抜けてきたその身には、常人とは比べものにならないほどの殺気が染み付いている。

 特に中島暁は、その冷徹な気を常に内に秘めており、今、夜闇瞬の敵意を感じ取ってはいるものの、それを爆発させることはなかった。

 ここが終末世界ではなく、終末世界の血生臭いやり方が通用する場所では...

ログインして続きを読む