第247章 逃れられない

渡辺良久は泣きながら、どうしても一緒に行こうとしなかった。

警察もこのような場面には見覚えがあった。誘拐された子供の中には、養父母に手厚く育てられ、実の親を認めようとしない子もいるのだ。

実の親の心も痛む。子供が小さいうちに見つかれば、二年ほどで慣れて情も戻ってくるだろう。

だが、もっと大きくなった子供はそうはいかない。自分なりの分別がつき、より現実的になることさえある。

「この人たちとは行きたくない」

渡辺良久は祖母の手に噛みついた。血が滲む。少年は身を翻して外へと駆け出した。

「いったい!」

お婆さんは手を握りしめ、痛みに震わせる。

「この子は、本当に恩知らずだね。死んだ...

ログインして続きを読む