第248章 渡辺良久を連れて行く

 渡辺千咲は、警察が印刷してくれた戸籍変更の確認書を手に、渡辺良久の祖母の元へ向かった。

 彼女はまだ警察署内で待機していた。事情聴取はすでに終えており、先に帰ってもよかったのだが、やはり息子のことを待っていたのだ。

 先に渡辺千咲が出てきたのを見て、老婆は興奮した面持ちだった。

「孫を返しなさい、私の孫を!」

 老婆はそう叫ぶと、震える手で渡辺千咲に殴りかかろうとした。

 相手は老人、しかも警察署の中だ。渡辺千咲も手を出すわけにはいかない。

 だが、彼女の身のこなしは素早く、老婆では追いつけなかった。

 二人の警官が飛び出してきて、慌てて老婆を取り押さえる。

「お婆さん、あ...

ログインして続きを読む