第276章 中島暁はもう一つの身分を得た

渡辺千咲が自分の世界に戻ってきたのは、すでに午前五時だった。

シャワーを浴びたが、今日は二時間ちょっとしか眠れていない。

夜闇生良と渡辺良久の二人は、すでに出かける準備を終えていた。

この子たちを学校に送り届けたら、中島暁を実家に連れて帰り、両親に会わせて結婚の話でもしようか。

結婚のことは、それほど急いではいない。婚姻届を出さなくても構わない。

なにしろ、中島暁はH国に戸籍がないのだから。

けれど、渡辺千咲は彼に正々堂々とした身分を与えてあげたかった。

中島暁のあの引き締まった筋肉を思い浮かべ、ごくりと喉を鳴らす。

結婚すれば、中島暁ももう言い訳はできないはずでは?

どう...

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