第295章 渡辺陽を見つける

「これは城主の意向だ。一時間後には出発する」

「ご主人様はもうあいつを見限った。いくら身体能力が高くても、もうおしまいだ」

 男は渡辺陽の体を軽蔑したように見やると、その言葉を吐き捨てて去っていった。

 渡辺陽の身体能力は極めて強靭であり、城主もその肉体に目を付けていた。

 ただ、渡辺陽の精神力があまりにも強すぎた。いかなる手段を用いても、彼を屈服させることはできなかったのだ。

「渡辺陽!!」

 男は眉をひそめ、計器の目盛りを睨みつけた。数ヶ月もの間、渡辺陽の精神力は常に三十を維持していた。最高値は九十九だ。

 渡辺瑚夏の名に言及した時だけ数値が下がるのだが、三十パーセントまで...

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