第321章 副隊長に任命

中島暁はその理屈をよく理解していた。たとえ慈悲深い相手であっても、彼を国外に出すことはないだろうし、あるいは保護という名目で人を配置するだろう。

これは一個人の利益の問題ではない。一つの物が利益の半分以上を揺るがすほどの力を持つとき、それは恐ろしい存在と化す。

もしこれが別の組織であれば、もっと極端な手段に出る可能性もあった。

現状、最善の選択はこれを国に引き渡すことだ。しかし、この代物は中島暁がいてこそ完全に使いこなせるものでもある。人間たるもの、いくつか切り札は残しておくべきだし、狡兎三窟という言葉もある。

彼は自分の世界に帰れるが、渡辺千咲は帰れない。彼女の家族はこの時空にいる...

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