第329章 瀬川庭の乞い

「小狼はあまり人馴れしないの。私以外にはね。それでも観察するって言うの?」

「はい、ぜひ」

「小狼を傷つけないと、約束します」

渡辺千咲は瀬川庭を見つめた。この男はついこの間まで自分とやり合っていたのに、今では懇願するような顔でこちらを見ている。

そのギャップはなかなかのものだ。

「副基地長、ここの変異動物の中には、遺伝子が変化していても血に飢えていないものがいると、私は確信しています」

人は見かけによらないものだ。この瀬川庭は、見た目からして小動物が好きなタイプには見えない。

「私は以前、軍用犬を育てていました。ですから、変異動物の中にも我々人類と友人になれるものがいると思う...

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