第341章 渡辺千咲に献血を頼む

「わしは生涯をかけて薬の研究をしてきた。だが、結局お前の母さんを治す薬は、研究できなかった」

「わしは、役立たずだ」

月島雨の心は、ずっと揺れ動いていた。しかし、彼女は渡辺千咲と約束を交わしている。

だが今、ICUの病室にいるのは彼女の母親なのだ。

全身に管を繋がれ、黒かった髪は真っ白になってしまっている。それだけでなく、かつては誇り高く美しかった母が、今では骨と皮ばかりに痩せこけていた。

彼女を掌中の珠のように可愛がってくれた母が、こうしてベッドに横たわっている。

彼女の好きなオムライスを作ってくれたり、しょっちゅう小言を言ったりしていた母。だが、もう二度と母の小言を聞くことは...

ログインして続きを読む