第362章 渡辺星見

B国のヴェールは既にパニックに陥っていた。どうして考えが及んだだろうか、H国の偵察技術がこれほどまでに進歩しているとは。

ヴェールは夜のうちに引っ越し、さらに数人のボディガードを雇って身辺警護をさせた。

ヴェールはこのことを将軍に報告したいと考えたが、今や手元に薬剤はなく、信用させるだけの材料が何一つない。

ヴェールは甚至、自分とジェームスの血液を採取して細胞を抽出するという大胆な考えにまで至った。

そうすることで自己の細胞を増強できることは発見したが、一度体外に抽出すれば、強化された細胞は瞬時に死滅してしまうのだった。

他人の血を抜いて実験することはできても、自分たちの血を抜き続...

ログインして続きを読む