第382章 寄生

「この場所、何だか妙ね。静かすぎる」

「それに、変な匂いもする」

「外の腐臭とは違う……生臭い匂いだわ」

渡辺千咲は団地全体を見渡した。

この団地は塀で囲まれており、緑化もされている。全部で八棟あり、いずれも大きなバルコニーが付いているようだ。

いくつかのバルコニーでは、たくさんの草花が育てられていた。

この荒廃した環境の中では、それがひときわ目立っていた。

「屋上から下りて、一軒一軒捜索。生存者がいないか確認して」

「了解」

続けて、渡辺千咲は空間から栄養剤を二本取り出した。

「これ、お腹が空いたらすぐに補給して」

「一本で二、三日は持つはずよ」

「はっ!」

二人...

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