第412章 月詠の神使

「月詠の神使様!」

 族長が真っ先に跪き、それに続いて赤族の者たちも次々と小林沙夜の前にひれ伏した。

 ただ一人、目を引く男だけが例外だった。その眼差しは深淵のようで、漆黒の瞳が小林沙夜をじっと見つめている。腕を組み、視線は彼女に釘付けだった。

 小林沙夜はこれまで数々の修羅場を経験してきたが、この光景にはさすがに少々驚かされた。

『この人たち、跪けって言ったら本当に跪くんだ!』

『やっぱり、古代では神使が一番やりやすい役回りね』

「月詠の神使様が我が赤族の集落に現れるとは、天が我らを御加護くださっているのだ!」

「我ら一族は、あらゆる災厄に打ち勝つであろう」

「我らは無事に...

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