第130章

先ほど徳川命に鍼治療を施していたとき、空見灯はふと、入院中の花邑栞のことを思い出していた。

空見家の父と息子は金を出そうとしない。警察からは治療費を出すよう催促の電話が鳴り止まないが、灯にその気はなかった。

手切れ金はすでに渡してある。これ以上、空見家と関わり合いになるつもりはない。だが、言っておかねばならないことがあった。

灯は事の顛末を成田響に大まかに説明した。成田響は驚きを隠せない様子だった。

「配信を見たときは、てっきり弟君がフォロワー稼ぎのためにわざとやったのかと思ったけど、まさかな……」

空見睦月がライブ配信で言ったことは、すべて真実だったのだ。あの連中が、灯を家族とし...

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