第134章

虫の居所が悪かったのか、空見灯は缶ビールを数本空けただけで、すっかり出来上がってしまった。

唐沢雪優も似たようなもので、呂律の回らない舌で管を巻いている。

「あの桐谷社長はねえ、絶対にあんたに気があるのよ。美人だし仕事もできるし、欠点なんてないじゃない!」

「彼が男なら、あんたを好きにならないはずがないわ。そっちの気でもない限りね!」

「初恋の相手? はんっ、あんたの初恋だってあの篠原流輝じゃない。今となっては絞め殺したいぐらいでしょ? まだあんな男に未練があるわけ?」

最後の一言に、空見灯はぐうの音も出なかった。確かに、今再び篠原流輝に会ったら、愛おしさなど微塵もなく、ただ首を絞...

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