第144章

空見灯は社名変更の手続きを済ませ、上機嫌でオフィスの改装に取り掛かった。

社名が変わった以上、掲げている看板や販促グッズも当然一新しなければならない。

だが、何より重要なのは――これから五十嵐悠真と契約を結ぶことだ。

彼女がプロジェクトに投資することを知った観月蒼は、豪快にも六百億という大金を彼女の口座に振り込んだ。「もっと稼いで、俺の老後の面倒を見てくれ」とのことだ。

最初は辞退しようとした空見灯だったが、結局はその厚意を受け入れた。

観月蒼の体調は芳しくない。今後、彼が外で診察を受ける機会もそう多くはないだろう。師匠を養うためにも、そして自身の事業を成功させるためにも、資金は必...

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