第十五章

桐谷憂が怒っているのは感じ取れた。

だが、理解に苦しむ。

所詮は契約夫婦、ただのビジネスパートナーに過ぎない。彼女が担当タレントを慰めただけで、なぜ桐谷憂が腹を立てる必要があるのか?

それでも彼女は意を決して口を開いた。

「桐谷社長、今、鏡京介にはマネージャーがいません。仕事を奪われた彼には、今後も似たようなことが起こるはずです」

「だから抱きしめて慰めたと?」

桐谷憂は身を乗り出し、嘲笑の色を浮かべて彼女を見下ろした。

「空見灯、『三つの約束』を忘れたのか?」

空見灯は確かに後ろめたさを感じた。鏡京介が同性愛者だとしても、成人男性であることに変わりはない。

抱き合うのは不...

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