第156章

永瀬誠は立て続けにグラスを三杯、空けた。空見灯の目から見ても、彼が限界に近いことは明らかだった。

案の定、グラスを置いた永瀬誠の足取りがふらつく。

普段なら酒には強いほうだ。だが、このたった一日の出来事が、彼の精神を崩壊寸前まで追い込んでいた。

昨日の時点では、まだ桐谷憂の言葉をただの脅しだと思い込んでいた。

だが、現実は違った。桐谷グループとのプロジェクトは即刻中止。桐谷憂は違約金すら払うと言い放ったが、永瀬家にそれを受け取る度胸などあるはずもない。

もし金を受け取れば、将来的な復縁の道は完全に断たれる。

にもかかわらず、他の取引先まで申し合わせたように手を引いていった。

今...

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