第181章

病室に入ってようやく、成田夏目が一同に紹介を始めた。

そこで空見灯は初めて、この少女が橘知事の娘であり、名を橘芽依ということ、さらに幼い頃から桐谷憂と共に育った幼馴染であることを知った。

「小学校の頃は、よく一緒に遊んだのよ」橘芽依の声が、ふと途切れる。「ここ数年は勉強漬けで、毎日研究室に籠もってたから……。この数日、合間を縫っておじい様に会いに行ってるんだけど、私のこと、もう分からないみたいで」

橘芽依は明るい性格で、声の響きも心地よい。

重苦しいはずの病室の空気が、彼女のおかげで少し和らいでいた。

だが、彼女は空見灯に視線を向けると、声を潜めて尋ねた。

「空見さん、本当に呪療...

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