第182章

空見灯は泥のように眠り、病室に戻るなりベッドへ倒れ込んだ。

目が覚めた時には、すでに未明を迎えていた。

瞼を開けると、ベッドの脇で桐谷憂が脚本に目を通している姿が目に入った。彼女は慌てて上体を起こす。

「脚本、貸して。明日、会社で選定会議があるの」

「ある程度選別して、注釈も入れておいた。残りを君が選べ」

桐谷憂は脚本を手渡した。そこには各作品の長所と短所が明瞭に記されていた。

空見灯は信じられないといった面持ちで彼を見た。

「あなた、映像業界は未経験じゃなかった?」

「造作もないことだ」

桐谷憂のその一言に、空見灯は呆れて白目を剥きたくなった。

だが、彼の手にある傷を目...

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