第185章

桐谷大正は厳めしい顔で歩み寄ってきた。

「成田響、お前はまだ青いな。その件は帰って父親に訊け」

成田響は気まずそうに彼を見た。

「足音がしませんでしたよ?」

「安心しろ、人は払っておいた。それよりお前たち、そんな大事な話を人気のない場所もしないで……」桐谷大正は手を振った。「お前は先に帰れ。灯と二人で話がある」

言われた成田響は慌ててその場を去った。

廊下の突き当たりに二人だけが残されると、桐谷大正はようやく空見灯を座らせた。

「いい子だ。お前は賢くて機転も利く。だが、橘家とは絶対に関わるな」

空見灯は思わず尋ねた。

「桐谷家と橘家は、以前は親しかったと聞きましたが?」

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