第195章

本来なら簡単な鍼治療で済むはずだったが、橘煌梨の容体が芳しくないため、空見灯は一から施術をやり直す羽目になった。

一時間強が経過し、ようやく治療が終わると、空見灯は脱力して椅子に腰を下ろした。

「橘知事、もう勝手な行動は控えてください。少なくともこの一ヶ月は絶対安静です」

「……苦労をかけたな」

橘煌梨は少し辛そうに酸素マスクを外した。

大きく息を吸い込むと、呼吸が驚くほど楽になっているのを感じる。

彼は改めて空見灯を見つめた。その眼差しには、明らかな畏敬の色が混じっていた。

多くの名医がお手上げだった彼の病状を、この女は鍼一本で回復させ、酸素吸入さえ不要な状態まで持っていった...

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