第198章

「先生、先生!」

 成田響が慌ただしく病室に駆け込んでくると、空見灯はびくりと肩を震わせた。

 ようやく唐沢雪優をなだめて送り出したばかりだというのに、間髪入れずの成田響の登場だ。

「どうしたの?」空見灯は胸を撫で下ろす。「心臓病じゃなくても、心臓が止まりそうになったわよ」

「大変なんです。さっき知事の病室へ薬を届けに行ったら、ドア越しに聞こえたんです。桐谷憂がAIロボットアームの提携話を断っているのを。前期プロジェクトにはかなりの額を投資してるはずなのに!」

 成田響は慌てて耳にしたばかりの情報をまくし立てた。

 薬を届けに戻った際、桐谷憂と橘煌梨の会話を立ち聞きしてしまったら...

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