第208章

倉庫で漢方薬の検品作業に没頭していると、空見灯の心はようやく凪いでいった。

一つ一つの生薬を手に取り、真剣に確認作業を行うその時間は、彼女にとって一種の精神安定剤だった。

彼女は自身の変化に気づいていた。桐谷憂に対する感情は、もはや以前のものとは決定的に異なっている。

当初の互いを「利用」し合うだけの関係から、いつしか互いに心を寄せ合う関係へ。表面的には、すべてが順調に進んでいるように見えた。

だが、桐谷大正の現在の病状を思うと、重いため息が漏れる。

彼女は忘れていなかった。二人の間に交わされた、あの契約を。

もし桐谷大正が亡くなれば、二人は約束通り離婚しなければならないのだろう...

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