第215章

空見灯は部屋に戻るなり、一刻も無駄にせずレシピを書き始めた。

桐谷憂は隣に腰を下ろし、その様子を真剣な眼差しで見つめていた。

「そこまで詳細に書く必要があるのか?」

「当然でしょう。今回は私のミスだもの。これからは誰かが勝手にお爺様に食べ物を渡さないようにしなきゃ。……それに、時間がある時は私が戻ってきてお爺様のご飯を作るわ」

空見灯は顔も上げず、ひたすらペンを走らせている。

桐谷憂は不意に彼女の左手を握りしめた。

「お前の作った朝食、ずいぶん食べていないな」

別荘で二人きりで過ごした日々を思い出し、桐谷憂はふと懐かしさを覚えた。

だが、あそこで一之瀬楓花がしでかした事を思い...

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