第216章

赤城凛が立ち去るのを見届けて、空見灯はようやく安堵の息を吐いた。

しかし、振り返って桐谷憂を見ると、彼女はすぐさま表情を引き締めた。

「桐谷社長、説明していただけますか? あなたが会社に戻れるようになったのに、なぜ私が働かなければならないのですか? お忘れかもしれませんが、私はもう辞職した身ですよ!」

「君はたった今、また社長代行に戻ったんだよ」

桐谷憂は悪びれもせず、楽しげに彼女を見つめた。

「人事システムにはすでに入力済みだ。君は執行社長だ。ついさっき任命した」

「辞職します」

空見灯は不満げに彼を睨んだ。

桐谷憂は不意に彼女の腕を引き、その体を自身の懐へと閉じ込めた。

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