第217章

空見灯は一日中、オフィスに缶詰め状態だった。

取材を求める記者に、面会を希望する提携業者。かつて映画への出資を募った際は誰も見向きもしなかったくせに、今では掌を返したようにすり寄ってくる。疎遠だった同級生からの連絡さえ絶えない。

ようやく電話が繋がった高松葵は、恨めしげな声を上げた。

「私の愛する空見社長? ちょっと電話が遠すぎない? ねえ、前回約束してくれた一億円のこと、まさか忘れてないでしょうね」

「ごめん、今日は本当に目が回りそうで」灯は残り五パーセントを切ったスマホの電池残量を確認した。「LINEで送って。もう充電が切れそうなの。財務にはすぐ送金させるから」

「ふふん、その...

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