第221章

空見灯は袋から中身を取り出した。何の変哲もないウールのブランケットに見える。

中には一枚の黄ばんだ紙切れも入っており、文字は消えかかっているものの、確かに空見灯の名が記されていた。

「これ、どういうこと?」空見灯は困惑した表情を浮かべた。

桐谷憂は彼女の手からそれを受け取ると、片眉をわずかに上げた。

「これはCブランドが二十数年前に出した新作だ。しかもただのウールじゃない。チベットカモシカの毛織物……シャトゥーシュだ。一枚三十万は下らないだろうな」

「三十万?」

空見灯はブランケットを手に取り、まじまじと見つめた。確かに手触りは柔らかく、きめ細やかだが、それにしても高すぎではない...

ログインして続きを読む