第261章

「私? 桐谷社長、私は音楽専攻ですよ」

 空見灯は呆れたように桐谷憂を見つめ、言葉を失った。

 実際、実験チームの指摘はもっともだった。彼女は音楽を学ぶ学生であり、人工知能の知識を深めようと思えば、膨大な時間を費やすことになる。

 何より致命的なのは、データ上の欠陥を即座に見抜けないことだ。それでは逆に、他人の悪意ある誘導や罠に嵌まりやすくなってしまう。

 ただ、神崎曉人への信頼ゆえか、彼の母親が会社に来てくれたことには、空見灯も安堵を覚えていた。

 桐谷憂は笑みを浮かべて言った。

「音楽専攻でも優秀な呪療師になれるんだ。医療機器の研究だって問題ないだろう? 綾瀬美憂も君のレポー...

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